夜というのは、私にとっては決して楽しい時間ではない。無意識にトラウマを呼び起こすからだ。そもそも、自宅と相性がよくない。常に緊張感に包まれている。そんなわけで、あまり月というものに関心がなかった。しかし、ふと、夜に空を見上げてみると、雲の合間よりさす月明りというのは、実に風情感じるものであった。少しの慰めである。
流れゆく雲、山々の山頂は雲に隠れてしまい、底見えぬ感覚に襲われる。別に好きで明るく振る舞っているわけではない。書きたくて書いているわけではない。明るく、そして書かなくては、生きていけないからそうするだけである。
所詮は「研究者の卵」とか言っておけば、どれだけ馬鹿にしてもよいのだろう。いち院生が何をいっても、馬鹿の戯言程度にしか思われていない。そう感じる。これほど悔しいことはない。楽しくてやるのではない。やらねば生きられないから、院にいる。「勉強が楽しくてやっている人たちですからね」とか「傲慢である」とか、ふざけている、と叫びたい。確かにその通りであろうが、それは普通に生きてこられた人たちに限られる。人の役に立ちたいからという理由でやっている人もいる。この苦しみに溢れた人生をくろうてみい。
朧な月明りの下で
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